【映画評】20世紀少年とT-BOLAN

※ちょいネタばれ注意

公開から遅れること1週間、今日やっと20世紀少年を見ることが出来た。


私にとって20世紀少年は、マイベスト漫画ランキング10位以内に入る作品であり、
映画化されると発表されてからというもの、見たくて見たくてしょうがない作品だった。


感想を簡単にまとめると以下のものである。


①3部作全部みないとわからない
②事前に漫画を読まないとわからない
③豪華キャストの意味がわからない


このわからないづくしである。



①3部作全部みないとわからない


スターウォーズを始めとした数章からなる作品は多数あるが、
それらの多くと違う点は、今回の第一章だけでは完結するところが全くないところである。


第三章まで見ることが前提に作ってあるため、第一章だけ見ても
中途半端であり、楽しむことは出来ない。


ドラマの1週分だけ見るのに近い感覚である。


私自身は全て見るつもりなので問題はないが、
とりあえずというつもりで見に来たお客さんの心を掴めたのであろうか?
謎である。
もし私がそういう立場だったら、クソ映画の烙印を押すだろう。


5ヶ月に一回しか進展しない連続ドラマを見る気がしないのと同じであり、
事前に漫画が面白いことを知ってる人しか最後まで見ようという気にはならんだろう。




②事前に漫画を読まないとわからない


映画版は基本的には漫画に忠実に沿って進行している。
映画ならではの脚本の工夫は見られず、ただ漫画を映像化しているだけといっても
過言ではない。


漫画を2時間半に凝縮するんだから、かいつまんだ感、無理やり詰め込んだ感は否めない。
登場人物もやたら多く誰が誰だかわからなくなっても不思議ではない。


メインストーリーという木にサブストーリーという枝葉が大量にくっつくのが
浦沢作品の特徴であり、漫画を読んでいてもサブストーリーのせいで、
メインストーリーを見失うことがよくある。
(モンスターではひどかった。私の記憶力の問題???)


先ほども記したが、この映画では漫画に忠実に沿って進行しているため、
サブストーリーまでも詰め込もうとしており、余計にわけがわからなくなっている。


例えば、定年間近の刑事が「ともだち」の正体をつきとめ、自分は定年だからと
捜査の続きを後輩刑事に頼むシーン。


このシーンなんかは本編には不要で、しかも漫画で描かれている
哀愁や切なさは全く伝わってこなかった。
不要である。


詰め込みすぎているため、事前学習をしないとストーリーを見失うのではないか??


浦沢直樹の描写や漫画のコマ割り、カメラワーク?自体が、映画的であるから
余計に漫画より劣って見えてしまう。



③豪華キャストの意味がわからない


制作費60億円と聞いて驚いたが、もしその制作費が
豪華キャストに支払われていたらもっと意味がわからない。
(出演料が支払われているのかいないのか、私は知りません。)


主役級・準主役級の俳優が豪華であることはいいのだが、
2,3秒だけ映る駄菓子屋のババアが研ナオコだったり、
他にも一瞬しか映らない人が大勢。


はっきりいって不要だ。
誰が出てるかに気がいってしまうよ。


木下優樹菜なんて0.5秒くらいしか映ってないんじゃないか??


出演者を集めるのにパワーを割くのであれば、CGを何とかしてほしかった。
堤監督の特徴である、真面目だけどどこかコミカルにな感じが
CGの場面は完全なコミカルになっており正直ギャグとしか思えなかったなあ。


それは漫画版がT-REXだとしたら、映画版はT-BOLANになってたって感じかなあ。



最後にまとめると、


私の評価として第一章を見ただけだと超低評価ではあるが、
20世紀少年への愛によって、第二章・第三章もみるつもりである。